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伊予柑の実

伊予柑(いよかん)とは?含まれる栄養素、おいしい伊予柑の見分け方、おすすめの伊予柑や歴史などについて詳しく解説します!!

農業

伊予柑(いよかん)とは?

伊予柑は主に愛媛県で生産されているミカンです。
直径7〜9cm、重さ200〜300g程度、皮は濃いオレンジ色で、やや厚いですが、手で剥くことは可能です。
プリプリと弾けるような大粒の果肉にはたくさんの果汁が入っていて、甘味と酸味のバランスのいい濃厚な味わいが楽しめます。
柑橘類の中でも特に香りが評判で、「香り伊予柑」とも呼ばれるほど、その爽やかな香りには多くのファンがいます。

市場に出回るのは1月から3月とまさに今、そしてこれからが旬の「伊予柑」について、この記事では、伊予柑に含まれる栄養素や、おいしい伊予柑の見分け方、おすすめの伊予柑など、伊予柑に関するさまざまな情報を詳しく解説していきます。

栄養素と効果

伊予柑に含まれている栄養素と、食べると期待できる効果について紹介します。

1.風邪予防

ビタミンCを豊富に含んでおり、同じく含まれているシネフィリンとともに風邪予防に大きな効果があるそうです。
ちなみに、伊予柑1個に含まれているビタミンCの量は、成人一人が1日に必要なビタミンCの量とほぼ同じなので、1日に1個伊予柑を食べれば、その日に必要なビタミンCを摂取できます。

2.疲労回復

クエン酸を含んでいるので、体内の酸性物質を減少させる効果や、疲労回復と血をきれいにする働きがあります。
疲れ気味の方、激しい運動をされる方には特におすすめです。

3.高血圧の予防や治療

皮にはリモネン、ナリンギン、ヘスペリジンなどの精油が含まれており、これらは毛細血管の壁を強くし、高血圧の予防や治療に有効とされています。

4.お通じ

中の薄皮(じょうのう)にはペクチンが多く含まれています。これには整腸作用があり、便秘やお腹を壊しているときに効果があります。

5.他にも

ビタミンP、カリウムなど、健康上とても大事な成分が含まれています。
中でもカリウムは水に溶けやすいため、生で食べることの多い柑橘類から摂取するのが理想だそうです。

伊予柑は美容と健康にいい食べ物なので、女性やお年寄りを中心にファンが多くいます。

見分け方

美味しい伊予柑には以下のような特徴があります。

  • ヘタ→小さく、青々としている
  • 皮→しなびておらず、ハリがある
  • 形→扁平(どっちかというと平べったい)
  • 重さ→ずっしりと重い
  • 大きさ→中玉くらい

また、皮が果肉から浮いてフカフカした状態のものは、味が落ちるていることがあるのでやめておいたほうがいいでしょう。

食べ方

伊予柑のお尻の方(ヘタのついていない方)から指を入れると皮が剥きやすいです。
皮を剥いたら房をばらして、じょうのう(中の薄皮)を中心側から開くように剥けば果肉を食べられます。

じょうのうは厚めで、やや硬いので、剥いて食べる人が多いですが、食べても問題ありません。
先ほども言った通り、じょうのうにはペクチンが多く含まれているので、腸を整えたいから食べるというのもいいと思います。

保存方法

直射日光の当たらない風通しのいい涼しい場所で保存してください。
冷蔵庫で保存する場合は、乾燥しないよう、ポリ袋などに入れてから野菜室で保存するのがおすすめです。

伊予柑は他の柑橘類に比べると日持ちする方ですが、徐々に水分が減って味が落ちていくので、早めに食べた方がいいでしょう。

おすすめの伊予柑

私の個人的なおすすめは、和泉農園の伊予柑です。
最大のポイントは無肥料、無農薬。
つまり、肥料や農薬を一切使っていないということです。

肥料や農薬を使わないと、弱い木は病気や害虫に負けてしまいます。
本当に強い木だけが生き残り、その木には、生命力に満ち溢れた本当にいい実がなるのです。

ただ、一般的な市販の伊予柑とは少し違っているので、その違いをまとめておきます。

  • 酸味が強め
  • 実がしまっている
  • 皮は淡い橙色で、黒点が目立つ

言ってみれば、万人受けするように改良されたものではなく、伊予柑の自然本来の見た目と香り、食感、そして味というわけです。

これが本当に美味しいんです。

ネオニコが気になる方はもちろん、おいしい伊予柑を食べてみたい方にもおすすめです。
(※ネオニコについてよく知らないという方は、以前私が書いたこちらの記事を読んでみてください)

また、和泉農園では伊予柑だけでなく、その伊予柑を皮ごと絞ったストレートジュースも販売しています。

皮ごとなので、皮やじょうのう(中の薄皮)に含まれる栄養素も全て摂取することができます。
無農薬だからこそできる製法ですね。

より詳しい内容は和泉農園のホームページにてご確認ください。
https://izumi-iyo-farm.com



ここから先は伊予柑の歴史について解説します。
個人的には面白かったのですが、結構マニアックで、あまり役立つ情報はないかもしれないので、興味のある人だけ見てください。

歴史

誕生

伊予柑はどこで生まれたか知っていますか?

愛媛県、、、

だと思いますよね。

現在、市場に出回っている伊予柑は、ほとんどが愛媛県産ですし、愛媛県は明治時代になるまで、伊予の国(いよのくに)と呼ばれていましたからね。

でも、違いました。

正解は、瀬戸内海を渡った先、山口県でした。

1886年(明治19年)、山口県阿武郡東分村(今の萩市)の中村正路さんという方の園で発見されました。
発見されたということは、人工ではなく、偶然誕生したということですね。

ただ、まだ「伊予柑」ではなく、当時の地名の「穴門(あなと)」にちなんで「穴門みかん」と呼ばれていました。

[※長年親については不明で、みかん類とオレンジ類の性質を持つため、それらの掛け合わせだと言われていましたが、近年、柑橘類のゲノム解析(遺伝情報の解析)により、カイコウカン(海紅柑)とダンシー(大紅みかん)の掛け合わせだと判明しました]

発見者である中村正路さんは農場の経営もしていたようですが、養蚕の普及に努めた実業家らしいです。
そんな人の畑で、偶然、新種のみかんが見つかったというのは面白いですね。

愛媛へ

伊予柑発見から3年後の1889年(明治22年)、愛媛県温泉郡持田村(今の松山市)の庄屋(今の村長)の息子だった三好保徳さんという方が、中村正路さんから穴門みかんの原木を購入し、愛媛県に持ち帰りました。

ネットやテレビ、電話すらない時代に、どうやって三好さんが穴門みかんの情報を入手したかは不明ですが、新聞はすでに発行されていたようなので、新聞、もしくは人づたいに聞いたのかもしれません。

そして愛媛県に戻った三好さんは、穴門みかんの苗木を育てて近隣の農家に配り、栽培を奨励しました。

「これをみんなで作っていこうぜー!!」

的な感じでしょうか?

こうして愛媛県松山市を中心に産地が徐々に広がっていきました。

やがて新種のみかんは、「伊予蜜柑(いよみかん)」という名前で市場に出回るようになります。
最初は真ん中に「み」が入っていたんですね。

ただ、これだと愛媛県産の温州みかん(こたつに入って食べるあの小さなミカン)と間違えるという理由から、昭和5年に「み」がなくなり、晴れて「伊予柑」になりました。

宮内伊予柑

実は現在愛媛県で栽培されている伊予柑のほとんどが、「宮内伊予柑(みやうちいよかん)」という品種で、従来の伊予柑の「枝変わり」によって生まれたものなんです。

1995年(昭和30年)に愛媛県松山市平田町在住の宮内義正さんという方の農園で発見されたため、その名前になりました。

この宮内伊予柑は従来の伊予柑に比べて成熟が早く、実つきもよかったので栽培がしやすく、また、皮が薄く、酸味が少なく、食べやすかったため、全国的に普及が進みました。

そこで従来の伊予柑は「普通伊予柑」と呼ばれるようになり、「宮内伊予柑」を「伊予柑」と呼ぶようになったそうです。

従来の伊予柑からすれば切ない話ですね。
「俺が伊予柑だったのに〜」と涙したことでしょう。

さて、その後も伊予柑界では、新品種が見つかっており、皮がツルツルでまろやかな甘みの大谷伊予柑(ダイヤ・オレンジ)や、大玉で種が少なく食べやすい「勝山伊予柑」などがあるそうですが、現在の生産量はわずかだそうです。

ここまでの流れをまとめておきます。

1886年 山口県の三好さんが「穴門ミカン(後の伊予柑)」を発見
1889年 愛媛県で中村さんが穴門ミカンの栽培を始める
1930年 「伊予柑」命名
1955年 「宮内伊予柑」の発見

伊予柑の収穫量は平成3~4年頃が全国的にもピークだったそうで、現在はピーク時に比べて約9割弱も減少しているそうです。
その原因として挙げられるのは、生産者の高齢化や後継者不足、他品種への転換、市場価格の低下などです。

市場関係者に聞いたところ、現在は小さくて、手で簡単に剥けるミカンの方が人気だとのことでした。

ただ現在でも伊予柑人気は消えておらず、柑橘類の中での生産量は温州みかんに次ぐ2位となっています。

まとめ

ここまで読んでくださった方は、是非この機会に伊予柑を食べてみてください。

先ほど紹介した「和泉農園の伊予柑」と市販の伊予柑を食べ比べてみるのもおすすめです。
私もやってみましたが、あまりの違いに驚きました。

ただ、個人でやっているので、数には限りがあります。
ご希望の方はお早めに♪ε=ε=ε=ヘ(*≧∇)ノ~

https://izumi-iyo-farm.com

今年一年がいい一年になりますように。